格安航空LCCの代表格でもあるAirAsisa(エアアジア)は、運賃が安い上に、フライトルートが豊富。特に東南アジアが好きな方には、おなじみのエアラインだと思います。私も東南アジア好きとして、これまで20回以上エアアジアを利用してきました。初めて利用する方は、通常の航空会社(レガシーキャリア)とは異なることが色々とありますので、お気をつけ下さい。注意点などをまとめました。
AirAsiaとレガシーキャリアの基本的な違い
まず、AirAsia含むLCC(ローコストキャリア)とレガシーキャリア(LCCではない航空会社)は、価格だけでなく、サービスレベルも異なるということを理解しなければなりません。LCCは、あらゆるところでコストをカットすることで、料金を下げています。
AirAsiaの場合、例えばで次のところでコストを削減しています。
- 予約、支払いはウェブサイトからのみ受け付ける。
- 機内食、エンターテイメント、預け入れ荷物、ブランケット等は、有料オプションにする。
- キャンセルは一部を除いて不可にする。
- 発着は着陸税の安いLCC専用ターミナルや、郊外の空港を利用する。
- 駐機時間を短くし、機体の回転率を上げる。
- 基本的にチェックイン及び発券は利用者に自力でやってもらう。
...等
以上のように、レガシーキャリアでは当たり前だった様々なことが、LCCでは当たり前ではなくなります。従って、LCCを利用する際は、レガシーキャリアと同等のサービスを期待してはいけません。でも、それは必ずしもネガティブなことではありません。LCCでは、利用者が必要なサービスに対してだけ追加料金を払い、不要なサービスには払わない、という選択肢が与えられているのです。
AirAsiaを利用するメリット、デメリット
LCCとレガシーキャリアの違いを理解した上で、AirAsiaを利用するメリットとデメリットを考えてみました。
メリット
- 価格!
- 豊富なルート。特に東南アジアでは、メジャーなエアラインの就航が少ない小さな街にも飛んでいます。
- LCCの中では、パイオニア的存在で、評判も高いので安心。空港や航空会社の各付け会社SKYTRAXによるベスト・LCC航空会社ランキングでは、9年連続No.1の地位を保っています。(参照:SKYTRAX Worlds Best Low-Cost Airlines)
デメリット
- 機内の快適さがレガシーキャリアに劣る。具体的には、シートが狭く、比較的古い。(首が凝る!)
- ウェブサイトがまだ使いにくい。日本語になっていないページがあったり、エラーが出ることがある。
- 一度に複数の席を予約しても、隣同士に座れるとは限らない。
- 発着の空港が、LCC専用のターミナルの場合が多い。ハブとなるマレーシアのクアラルンプール、タイのバンコクでは、レガシーキャリア用の国際空港よりも免税店やレストランが少なく、設備が古い空港発着となる。
AirAsiaをブッキングする前に知っておきたい注意点
1.安いとは限らない
最近は、レガシーキャリアも割安チケットを販売していることもあるので、購入前に必ず料金を比較することをおすすめします。私はいつもSkyscannerを利用しています。チケット自体はAirAsiaのほうが安くても、色々と追加オプションをつけると、レガシーキャリアのほうが安かったり、変わらなかったりします。
LCCとレガシーキャリアのチケットの差額が少しの場合、レガシーキャリアには、次のような付帯サービスがあることを忘れずに!
- エコノミーシートでもLCCよりは広い(多少であっても)
- 食事・飲み物・ブランケットが提供される
- 預け入れ荷物20キロが料金に含まれている
- LCCターミナルではなく、一般の国際空港を利用できる
- チケットによっては、キャンセル可能、など
2.日程変更は可だが、キャンセルは基本的に不可
重要なポイントです。AirAsiaは、基本的にキャンセルをしても返金してくれません。かろうじて、申請すれば、空港税は返金してくれるようですが、それも各種手数料を引いた分のみとなるので、申請の手間と天秤にかける感じになりそうです。
ただし、チケットの日時変更はできます。日時変更のルールも少し複雑で、もともと買っているチケットの種類によって、変更の受付締め切りは異なり、距離によって手数料の額も変わります。また、変更先のチケットの方が高い場合は差額を支払う必要があり、安い場合は返金されません。
ややこしいのは、キャンセル不可にも例外があるということ。例えば、
・アメリカ発着便は、予約から24時間以内且つ出発の7日前までにキャンセルすれば、返金される。
・韓国発着便は、1ヶ月前までならキャンセルすると一部返金される。
・直系家族メンバーが死亡したことを理由として、搭乗者が予約したフライトに搭乗できない場合は、エアアジアクレジットアカウントに対してのみ、返金をリクエストできる。(死亡証明および関係を証明する書類の提出する必要がある。)
チケットを予約する際は、きちんとポリシーを自分で確認する必要があります。路線によってルールが違っていたり、手数料の額が異なるからです。あまり先のフライトは予約しないほうがいいかも知れません。
3.チケット代以外にも、各種手数料が発生する
チケット代以外にも、空港税、各種手数料があり、更に、支払い時に支払い手数料も発生します。また、預け入れ荷物の有無・量、食事の有無、席の指定、保険の有無によって料金が変わってきます。他社と料金を比較する際は、まず、とりあえず購入画面まで進む事をおすすめします。色々な条件を入力しないと、結局最終額がわからないからです。
また、支払い方法(クレジットカードか、コンビニやATM払い等)によって支払い手数料が異なります。これも距離によって額が異なるので、支払い画面まで進んで確認するのが手っ取り早いです。
今回ひさしぶりに予約して、このクレカ手数料が意外と高くて驚きました。想定外でした。1名1路線につき区間に応じた手数料が加算されるようです。
4.KLではLCCターミナル(klia2)に発着します
AirAsia専用といっても過言ではない、マレーシア・クアラルンプールのKuala Lumpur International Airport 2、通称klia2。ここは、綺麗で免税店もたくさんある第1エアポートと異なり、古くて、免税店もあんまり無くて、長い時間を過ごすにはちょっと退屈なターミナルです。
でもAirAsiaはこのKLIA2が基点となって色々なところに飛んでいるので、とても便利な世界のハブ空港でもあります。AirAsiaが運営するTune Hotelも徒歩距離にあって、乗り継ぎまで一泊するにも便利です。
最後に
エアアジアのキャッチフレーズ、「Now Everyone Can Fly」は、本当に実現されていると思います。エアアジアの安いフライトによって、東南アジアの人々を中心に、より多くの人々が効率よく移動できるようになったことは、すばらしいことだと思います。
ただし、キャンセルポリシーが複雑だったり、席が狭かったり、不便な点も多いのも事実。最近、成田・バンコク便に搭乗しましたが、やはり席が狭いので少々疲れました。でも、身体が我慢できるうちは、まだまだエアアジアを活用して色んなところにいきたい!と思いました。
エアアジア未体験の方は、ぜひ次回の旅行の際、利用を検討してみてはどうでしょうか?