ムスリムの方にあげたい【日本のハラルのお菓子】のまとめ

ムスリム(イスラム教徒)の方へのお土産、何を買おうか困ったことはありませんか?ムスリムの方へ食べ物を贈る場合、それがハラル/ハラール(イスラムの宗教上許されたもの)である必要があるので、慎重に品選びをしなければなりません。

わたしはイスラム圏で働いた経験があり、これまで色々とムスリムの方へ贈り物をしてきました。その経験をふまえ、お土産の選び方、そして具体的におすすめの日本のお菓子をいくつかご紹介します。

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一人ひとり、ハラルの基準は様々

最初にお伝えしておきますが、私は一般社団法人ハラル・ジャパン協会が主催する「ハラルビジネス講座」を受講しており、基本的なイスラム及びハラルの知識は備えた上でこちらの情報を掲載します。とはいえ、当たり前のことですが、ムスリムの方をひとくくりにまとめることはできません。

イスラム圏に暮らし、たくさんのムスリムの方に出会ってわかったことは、個々人がそれぞれの考え方、生き方、宗教心に沿って、何をして、何を食べるか選んでいるということです。もちろん表と裏があるケースも多々。どれくらいハラルであることを気にするか、どんな味が好みか、というのは人それぞれです。

ここでは、「ハラル認証を受けている商品」と併せて、「認証はないけれども原材料がハラルの商品」も紹介します。しかし、ムスリムの方の中には、「ハラル認証を受けていても海外のものは不安」という方や、「原材料がハラルでも工場の状態がわからないなら口にできない」という方もいますので、これをあげれば絶対大丈夫!、というものではないことを予めご了承下さい

贈り物をする相手の方の「気にするレベル」に合わせて、品物を選ぶことが大切です。相手のことがよくわからない、という場合は、食べ物以外のギフトを選ぶのが無難だと思います。食べ物以外の贈り物をする際も、宗教色の無いものを選んだ方が良いと思います。例えば、柄がある場合、人物は避けて植物柄や模様(パターン)にする、等です。

お土産選びのポイント1: ムスリムの方には、ハラールのお土産を

ムスリムには、宗教上の理由から口にしてよい物、ハラールなもの、と、口にしてはいけない物、ノン・ハラール又はハラームのもの、があります。

ノン・ハラールのものの代表として、アルコールと豚肉はよく知られていると思いますが、それだけではありません。豚由来の成分が入ったものは全てダメですし、肉に関しては豚肉でなくてもイスラム教の教えに沿って屠畜されたお肉以外は全てダメです。

従って、以下のノン・ハラール成分が原材料に含まれる食べ物は、避けなくてはなりません。原材料がはっきりしないものや、加工品は避ける方が安全です。

  • アルコール
  • ゼラチン
  • ラード
  • ショートニング
  • 乳化剤(「大豆由来」などと明記されていない限り、避けた方が安全)
  • マーガリンも避けた方が安全

アルコールとお肉はわかりやすいですが、ゼラチンやショートニング、乳化剤は、あらゆるお菓子に含まれていて、外見から判断することはできません。パッケージの原材料を自分の目でチェックする必要があります。明記があいまいなものや、自分で判断できないものは、避けるべきです。

お土産選びのポイント2: ハラル認証を頼りにする

ここ数年、ハラルビジネスが日本でも少し盛り上がっていて、ハラル認証を取得しているレストランや商品が発売されるようになりました。お土産選びの際、とても助かります。

ハラル認証とは、その商品がイスラム教の戒律に沿った原材料で生産され、加工され、調達されていることを証明するマークのことです。多くのムスリムは、食材やレストランを選定する際、パッケージやお店に表示されている「ハラル認証」のマークを頼りにしています。

マークを取得するためには、ハラルの認証団体の審査を受け、基準をクリアしていることを証明してもらう必要があります。認証機関は世界中にたくさんあり、政府がハラルのルールを規格化している国もあれば、複数の団体が独自の規格を作成している国もあります。マレーシアやインドネシアは前者で、日本は後者です。

ハラル認証を受けている商品であれば、原材料や加工段階でもハラルであることが明確なので安心です。ハラル認証マークを確認するだけでなく、その認証機関がどのような団体なのか、どのような基準でハラル認証しているのか、など調べると更に安心です。

ハラル認証付きの、おすすめお土産品

では、具体的に、私のオススメの商品をご紹介します。まずは、上記で述べた「ハラル認証」というものを取得している商品の中でも、特におすすめの二つをご紹介します。

1.カステラ(ムソー株式会社)

自然食品、有機食品、無添加食品の研究及び販売をしている、ムソー株式会社による、国産原料100%のハラール認証カステラ。認証団体は、NPO日本アジア・ハラール協会です。

パッケージも素敵で、味も三種類(はちみつ、黒糖、抹茶)あり、私の中では一番のおすすめハラル商品です!100%国産の材料を使っているという点でも安心感があります。賞味期限も2ヶ月と、長めで扱いやすい。空港でも入手できます。

私は蜂蜜味を購入して食べてみましたが、おいしかったです。

2.元祖きびだんご(廣榮堂)

岡山の和菓子の老舗、廣榮堂が発売しているきびだんごは、ハラール認証を取得しています。もともと原材料がハラルで、生産工場もきびだんご専用フロア、つまりハラルなものしか扱わない状態だったので、スムーズにハラル認証が取得できたそうです。認証団体は、Japan Islamic Trustです。

パッケージは絵本作家の五味太郎さんの絵!子どものいるご家族にもおすすめのお土産です。

廣榮堂のネットショップでは、色々なパッケージのきびだんごを販売しています。Amazonや楽天からも購入可能。白桃フレーバーなど、ちょっと変わったものもあり、どれも美味しいです。

3. キューピーマヨネーズ・ジャパニーズスタイル
(お菓子ではありませんが・・・)

海外でも一部のファンに大人気のキューピーマヨ。マレーシア政府のハラル認証機関(通称JAKIM)より「ハラル認証」を取得した、ハラルバージョンが2015年から発売されています!キユーピーマレーシア(KEWPIE MALAYSIA SDN.BHD. マレーシア国)で製造したマヨネーズで、日本では輸入品として売られています。

東南アジア以外の国に在住している方にとっては、まだ入手しずらかったり、値段が高めだったりするので、マヨ好きな方には喜んで頂けるかもしれません。アマゾンで購入できます。

原材料がハラールの、おすすめお土産品(ハラール認証無し)

次に、「ハラル認証は無くても、原材料がハラル」の、おすすめ商品をご紹介します。そもそも、ハラル認証つきの商品と言うものは、つい最近発売されるようになったものです。これまでも今も、ムスリムの方への日本のお土産といえば、羊羹やヨックモックが定番ではないかと思います。

ちなみに、和菓子はもともとシンプルな素材で作られているので、ハラルであることが多いです。でも、購入の際は、必ず原材料を確認して下さい。スーパーで売っている羊羹などは、ゼラチンが入っていることもあります。

以下5つの商品は、個人的に味も見た目も好きな、一押し商品です。

1. とらやの羊羹

とらやは、原材料を全てウェブサイトで公開しているので、安心して購入できます。とらやの羊羹はすべて原材料的にはハラルです。小分けになっている羊羹のセットは、たくさんの方に配るときにも扱いやすいです。海外に持って行くときに、崩れない、日持ちする、という点でもおすすめのお土産です。

2.高野のフツーツチョコレート

高級フルーツの老舗、新宿高野のフルーツチョコレート、美味しいですよね!!実はこれも原材料的にはハラルです。先日ムスリムの友人がこれをお土産にしたいけど大丈夫かなと、一緒にパッケージを確認したところ、ちゃんと乳化剤のところに「大豆由来」と書いてあり、原材料が全てハラルであることがわかりました。リボンつきのギフトパッケージもあり、カラフルで見た目もかわいい!若い方にもおすすめです。

3.ヨックモックのシガール

ヨックモックは、中東で大人気で、アブダビに店舗があるほど。ハラル認証はとっていませんが、中東のムスリムの方々に大人気です。今までの経験から、ヨックモックは知名度が高いこともあり、男女問わず喜ばれます。特に、シガールがヨックモックの代名詞になっている印象です。

4.まめや萬久の甘納豆

金沢のまめや萬久の甘納豆やお豆のお菓子は、パッケージもかわいいのでお土産におすすめです。チョコレートが入っているものは、「乳化剤」が入っているので、購入する前に要確認です。

5.砂糖菓子:落雁、和三盆、コンペイ糖など

以前、落雁やコンペイ糖をお土産として渡したところ、見た目の美しさとかわいさから、特に年配の女性方にとても喜ばれました。砂糖菓子は、通常ハラルの原材料のみで作られていますが、こちらもスーパーなどに売っているものは、そうとは限らないので、原材料を確認した上で、商品を選ぶことをおすすめします。

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最後に

日本には、贈り物にしたくなる、おいしくて、見た目も素敵なお菓子がたくさんあります。でも、ムスリムの方々は何でも食べられるわけではありません。この投稿をヒントに、ムスリムの方に喜んで頂けるギフトが見つかれば、うれしいです。

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