私はいつか自分が出産するとしたら、無痛分娩にしようと、前から決めていました。
不妊検査を受けるために通っている病院がありましたが、そこでは無痛分娩を実施していなかったので、妊娠を機に出産のための病院を改めて探すことになりました。
驚いたことに、東京でも、無痛分娩を実施している病院はそんなに多くありません。自分が住んでいるところから通える範囲にある病院であることを考慮すると、自ずと選択肢は絞られていきます。実際に私が無痛分娩で出産するための病院を選ぶにあたり調べたことをまとめます。
まずは無痛分娩に関する情報を幅広く収集
無痛分娩、麻酔分娩、和痛分娩、と言われる麻酔を使って陣痛の痛みを和らげる分娩方法があります。フランスやアメリカでは多くの女性が麻酔を使って分娩しているそうですが、日本では自然分娩がメジャーで、麻酔を使う方は少数派です。
私は無痛分娩を検討する上で、なるべく幅広いソースの情報に触れようと思いました。日本では無痛分娩がメジャーではないだけに、ある程度実績を積んできた病院を選びたいと思っていたし、リスクについてもきちんと理解したかったからです。
まず、ネットで情報収集しました。
厚生労働省のウェブサイト
2018年7月に掲載された全国の無痛分娩取扱施設の一覧を見て、自分の家の近くの産院をリストアップしました。併せて、無痛分娩に関する提言などに目を通しました。
日本産科痲酔学会のウェブサイト
「無痛分娩Q&A」が掲載されています。私はこのQ&Aを読んで、麻酔分娩はどのように行われ、どのような効果があるのか、痛みを和らげる以外に影響はあるのか、など、より深く麻酔分娩について理解することができました。
その他口コミ情報など
この他に、ネットで「無痛分娩」と検索すると、出産・育児系のポータルサイトの記事や個人のブログ記事、新聞記事などがヒットします。私はなるべく色々な視点から書かれた情報に目を通すようにしました。
日本では無痛分娩はまだマイナーな選択肢であること、麻酔分娩に伴うリスクを強調する情報が多いこと、実際に麻酔分娩を体験した人は概ねポジティブな感想を述べていること、麻酔分娩は自然分娩よりも費用がかさむこと等がわかりました。
また、図書館で無痛分娩に関する本を数冊借りて読みました。特に体験談は参考になりました。
病院を選定するにあたり考慮すべき点
そもそも無痛分娩ができる病院の選択肢は多くはありませんが、その中でも選定する上で考慮すべきと思った点は以下です。
場所
まずは自分が通える範囲に無痛分娩ができる病院があるかどうかが問題です。
費用
麻酔を打つので、通常の自然分娩より高額になります。平均的に、自然分娩よりも10万円以上は上乗せになることを見込んだ方が良さそうです。私が出産した愛育病院は、通常の分娩の費用にプラス20万円でした。(麻酔学級を受講していないと25万円!)病院によって費用は異なりますので、複数比べてみると良いです。
実績
これまでの無痛分娩の実績や事故の有無については、ネットで新聞や口コミの検索をすることである程度わかります。
設備
高齢出産や、合併症を伴った妊娠といった「ハイリスク妊娠」の場合、小さなクリニックでは受け付けてくれない場合があります。何かあった時に緊急手術ができない等の理由からです。また、出産直後、赤ちゃんに何かがあった場合に対応するNICU(新生児特定集中治療室)がある病院かどうかも把握しておいた方が良いと思います。
土日祝、時間外の対応
いざ陣痛が来て入院となっても、麻酔科医が不在だったら麻酔を打ってもらえません。例えば、平日の日中しか麻酔科医がいない病院では、週末や夜中に入院となっても麻酔を打ってもらえず、結果自然分娩しか選択肢がなくなる場合があるそうです。絶対に麻酔を打ってほしい、という場合は、麻酔科医が常にいて、土日祝日でも、夜中でも対応してもらえる病院を選ぶ必要があります。
計画無痛分娩か陣痛を待ってからの無痛分娩か
出産の日取りを事前に決めて、その日に陣痛が来なくても促進剤を打って無痛分娩を実施する計画無痛分娩と、陣痛が自然に来るのを待って子宮口が開いてから麻酔を打ってお産に持っていく無痛分娩があります。病院によっては経産婦のみ計画無痛分娩ができるところがあったりで、対応が異なります。
最終的に愛育病院を選定
私の場合、家や職場からの距離を考え、候補に挙がったのは東京慈恵会医科大学附属病院、田中ウィメンズクリニック、そして愛育病院でした。
御成門にある慈恵医大の無痛分娩のオプションは、計画無痛分娩のみで、実施も平日のみと決まっています。計画無痛分娩の場合、事前に日取りを決めて、その日に促進剤を用いて分娩しますが、もしその予定日より早く陣痛が来て、それが休日や夜間だったら・・・自然分娩になるのでしょうか。そこまでは調べていないのでわかりませんが、私はできたら自然に陣痛を待って、そこから麻酔を、という分娩を希望していたのでやめました。費用の面では、愛育よりも安いです。
自由が丘にある田中ウィメンズクリニックは昔から無痛分娩の専門クリニックとして有名で、家からも近かったので検討しました。しかし私は35歳以上の高齢出産になることから、なんとなくクリニックよりも大きい病院の方が安心だと思い、やめました。また、こちらは口コミなどによると、費用が高そうでした。
最終的に私は愛育病院で出産をすることに決めました。費用はかかりますが、通いやすい場所であったこと、長年無痛分娩を無事故で行ってきた実績があること、知り合いが何人も愛育で出産していたこと、土日祝いつでも自然に陣痛が来るのを待って麻酔を打ってもらえること、などの理由からです。実際に出産を終えて、愛育病院にしてよかったと思っています。
最後に
無痛分娩をする、しないに関わらず、出産する病院選びの基準は人それぞれだと思います。無痛分娩の場合は、病院の場所や出産の費用に関してだけでなく、計画か自然無痛分娩か、土日夜間に麻酔の対応はできるのか、といったポイントも確認したいところです。出産の時だけでなく、妊婦検診で何度も通うことになる病院です。自分が納得して通える病院が見つかってよかったです。